これまでの出来事をまとめるために振り返っているとまたその時の感情が押し寄せてきてつらくなってしまう。学校に行けなくなった中学2年の夏休み明けから4年やっと大学受験に向けて勉強ができる状態になり、出願時には試験の時間に間に合うかどうかの心配をしていたけれど無事に全部受験することができた。希望が高いにもかかわらず実際に受験勉強ができたのは半年程度ということもあり、結果はまだついてきていないのでもう一年受験生をすることになりそうだが、まず今年は無事に受験できたことを心から嬉しく思う。共通テストの会場へ送っていき校舎へ歩いていく姿を見て涙が止まらなかった。色々なことがあったこの4年半の特に前半、私自身親としてもつらい状況のとき支えになったものを挙げておく。同じようなことで今つらい状況の方に少しでも知ってもらいたい。
まず第一に挙げたいのはTwitter。私はたまたまこの件以前からTwitterを使って同じ趣味の知らない人と繋がっていた。だからこの聞いたこともない病気とは何か知る為に起立性調節障害の親のアカウントを作り、同じ病気の子や親、不登校の子や親をフォローしまくった。ここでかなりの情報を得ることができ、同じようなことで悩んでいる人が今まで知らなかっただけでたくさんいることを知ることができた。そしてその時々に腹が立ったり悩んだりしたことを呟くと共感してくれたり、励ましてくれたり、顔も知らない人だけど顔見知りより相談しやすく優しかったので、精神的に安定できるようになった。そして起立性の子に食べさせてみている物や使っているサプリなどの情報を得ていろいろ試していた。
専門医
次に専門医の存在。最初心療内科にて病名を聞いただけでは私自身、頭ではわかったつもりであってもまだ心から娘の病気を理解していなかった。専門医にて検査を受け数値化されたものを見て、親向けの指導も受け、ようやく見た目は元気そうな子どもが本当に病気なんだと実感した。それから娘の言動を全て信じ、肯定できるようになれた。
通信制高校、高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)
そして通信制高校。通信制高校の説明会に参加して何より良かったのは起立性調節障害についての説明を全くすることなく全て理解した上での高校生活について説明してもらえたこと。相手が理解してくれているということはいかに精神的に楽かということがわかった。そして実際に同じような状況だった子が2年後には元気に笑顔で学校へ行き夢を持って頑張っていた。このような子の存在が娘にとっても親の私にとってもとてつもない励みになった。
ただ出来れば中学も通信制があれば良いと思うのだが、当時はフリースクールや家庭教師的なものでしか学ぶ術がなかった。様々な理由で学校に行けなくなった義務教育の子ども達を救う手段を日本全体で早急に考えてもらいたいものだ。日本では当たり前にどこに住んでも同等の義務教育を受けることができると信じていたが、いざ何らかの理由で学校へ行くことができなくなった途端に、地域によっても担任の先生の技量によっても教育を受ける権利がほぼ失われる地域も存在する。そうなるとその後の子供の教育は親次第、親の経済力によってもかなりの差ができることになる。私たち親子が住んでいた町は関西では人気の住みたい街ランキングに毎年上位になっているような街で街並みは新しくおしゃれなお店があるような街でしたが、公立中学の仕組みにおいては昭和初期のままで先生たちの考えも保守的なある意味時代錯誤かと思えるほどの方が多く思えた。いじめや不登校を隠すような雰囲気も感じられた。先生と話し合えば話し合うほど、学校へ行かせる必要性を感じなくなった。
その後、結局体調も芳しくなく通信制高校も中退することになり、最終的には高卒認定を受けることになったのだが、こういった方法もあるということをもっと拡散するべきだと思う。そうすれば、体調が悪いのに出席日数を気にして高校へ通っている子や学校で嫌なことがあるのに無理して学校へ通っている子の選択肢の一つとして考えられるようになるのではないかと思う。学校以外で自分だけで勉強することは大変ではあるけれど、昔よりはネットや動画で勉強を教えてもらいやすい環境にもなってきている。無理して精神的苦痛を伴いながら学校へ通うよりは、大変ではあるけれど自分でネットや動画を見てマイペースに勉強を進めていくのもいいのではないかと思う。
何らかの理由で学校へ行けなくなった子供にも平等に教育を受けることができるような仕組みをどうか早急に考えてもらいたい。
仕事
最後に仕事。私はずっと続けていた仕事を辞めて娘のために家にいた方が良いのか、体調の悪い娘を家に置いてこれまでのように仕事を続ける方が良いのか本当に悩んだ。専業主婦が少ない昨今、突然の不登校にこのように同じ悩みを持つ方も多いのではないか。私はいろいろ悩んだ結果そのまま続けることを選んだ。経済的なことももちろんあるが、結局家にいて娘の様子を一日中見ていたら文句の一つも言ってしまう。そしてウザがられる近い未来が見えたからだ。そして何より私自身精神的に不安定なこともあったが、仕事をしている時間だけはそのことに集中し忘れていることができた。だから辛い時期もあったが、なんとか続けてきた。子供の状況、自身の状況など考慮することはたくさんあるが、仕事を辞めることを選ぶより続けることで良い場合もあることを知った上で、どうするか判断してもらいたい。周りからは「仕事を辞めてしっかり見てあげないと」と言われたりもしたが、最終的には自分が精神的に元気でないと子供も元気にはなれないと思う。
周囲の意見に左右されず、自分にとって良い選択をしていく。
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